犬が吠えた夜の映像
映像は固定カメラの白黒画面で、庭の木と芝生が映っている。最初に高さ一メートル前後の白い姿が入り、細い脚を交互に出して進む。少し遅れて、半分ほどの大きさの姿が同じ道を通る。歩くたびに胴が左右へ揺れるが、顔はこちらを向かない。
ホセはスペイン語圏のテレビ局ユニビジョンへ映像を持ち込み、地域番組で紹介された。彼の姓や正確な撮影住所は公表されていない。元映像より短く編集されたコピーが動画サイトへ転載され、フレズノの怪物として知られるようになった。

語りの移り変わり
- 2007年ごろフレズノ南部の民家で、防犯カメラが白い二体を撮影する。
- 2000年代末ユニビジョンの番組と動画サイトを通じて映像が広がる。
- 2010年Syfy『Fact or Faked』が現地調査と再現実験を行い、ナイトクローラーの名を使う。
- その後ヨセミテ近郊とされる別映像が加わり、フレズノのご当地怪異として商品や作品に描かれる。
番組がつけたナイトクローラーの名
2010年、米Syfyの検証番組『Fact or Faked: Paranormal Files』が映像を取り上げた。出演者は現地でホセに会い、カメラの位置や庭を確認する。番組は白い姿を『ナイトクローラー』と呼び、この名がネットで定着した。
再現では、白い服を着た子ども、糸で動かす人形、脚の長い装置を同じ画角で撮った。人が歩くと頭と腕が目立ち、人形は元映像ほど滑らかに足を運ばない。番組は決定的な作り方を特定できなかったと結んだが、映像が未知の生物だと証明したわけでもなかった。

ヨセミテの監視カメラという続編
後に、ヨセミテ国立公園近くの監視カメラにも似た白い二体が映ったという動画が現れた。木立の間を長い脚のものが横切り、親子のように大きさが違う。撮影者、設置場所、元ファイルを確かめられる資料は少なく、フレズノ映像より出所は曖昧である。
それでも二体が並ぶ画面は、ナイトクローラーを一度きりの影から一種の生物へ変えた。小さい個体は幼体、白い布の部分は頭までつながった体と説明され、森に住む家族の絵が描かれるようになる。

怖い顔を持たない怪物
ナイトクローラーには牙も赤い目もない。人を追わず、庭を静かに横切るだけだ。二本の脚と白い胴という単純な輪郭は、刺繍、ぬいぐるみ、街の壁画にも使いやすく、フレズノを代表する奇妙で親しみのある怪物になった。
映像だけを見れば、吊り下げた布、人が入った衣装、編集など複数の方法を考えられる。公開されている低解像度のコピーから一つを選ぶことは難しい。ホセの犬が吠え、カメラが捉えた数秒は、正体が決まらないまま繰り返し再生されている。





