現代怪異資料館MODERN KAIKI ARCHIVE
奇怪千万現代怪異資料館オウルマン
FILE 59 / 英国・梟の翼人

オウルマン

おうるまん

教会塔の上で翼を開いたコーンウォールの梟人

1976年4月17日、休暇でコーンウォール州マウナンを訪れていた十二歳と九歳の姉妹が、古い教会の森で大きな翼のものを見た。人間ほどの体、尖った耳、赤い目、足の代わりに黒い鉤爪。二人は叫びながら宿へ戻り、父親は予定を切り上げて家族を連れ帰ったという。話を公表した奇術師トニー・“ドク”・シールズは、少女の絵をもとに『オウルマン』と名づけた。

1976年の海辺の教会で、二人の少女が塔の上に立つ梟顔の翼人を見上げる場面
1976年の海辺の教会で、二人の少女が塔の上に立つ梟顔の翼人を見上げる場面

古い教会の塔の上

マウナンの教会はファル川の河口を見下ろす森の中にあり、十五世紀の塔が立つ。シールズが紹介した手紙では、姉妹は塔の上を旋回するものを見た。翼は羽毛に覆われ、人のような腕と胴があり、空中で静止した後、木々の向こうへ消えたという。

姉のジューンが描いたとされる絵には、丸い頭、尖った耳、赤い目、長い翼、三本の鉤爪がある。シールズは少女たちと直接会ったのではなく、父親からの手紙で経緯を知ったと説明した。手紙の原本や家族の身元は公開されず、証言は彼の文章と絵を通して広まった。

赤い目と大きな黒褐色の翼を持つオウルマンが教会塔から飛び立つ場面
赤い目と大きな黒褐色の翼を持つオウルマンが教会塔から飛び立つ場面

語りの移り変わり

  1. 1976年4月17日休暇中の姉妹がマウナン教会近くで翼と赤い目を持つものを見たとされる。
  2. 1976年春トニー・シールズが手紙と絵を公表し、オウルマンと名づける。
  3. 1976年7~8月教会と近くの海岸で、別の少女たちによる目撃が報告される。
  4. その後新聞、怪物事典、ネット記事で再話され、マウナンを代表する怪異になる。

夏に戻ってきた翼のもの

同じ年の7月、別の二人の少女が教会近くで羽音を聞き、大きな鳥人を見たという話が加わった。8月には、浜辺近くで怪物が低く飛ぶのを見たという報告もシールズのもとへ届く。目は赤く、灰色の羽毛があり、鉤爪で枝をつかんだとされた。

後年には1980年代、1990年代の目撃も紹介されたが、日付や証人の確認が難しいものが多い。初期の二件から外見を借りた再話も混ざり、オウルマンはマウナン教会の固有の怪物として定着した。

コーンウォールの森で二体の梟人が翼をたたみ、若い女性たちへ歩いてくる場面
コーンウォールの森で二体の梟人が翼をたたみ、若い女性たちへ歩いてくる場面

怪物を呼ぶ奇術師

トニー・シールズは画家、詩人、舞台奇術師として活動し、ネス湖などで怪物を呼び出す催しを行っていた。1976年にはコーンウォールの別の湖で怪物の写真を発表している。オウルマンの証言が彼一人を経由しているため、宣伝や創作を疑う研究者も少なくない。

シールズは最初から実在を証明したとは述べず、寄せられた話を紹介して絵と名前を与えた。新聞は『コーンウォールのモスマン』として取り上げ、米国の翼ある怪物との比較も始まる。姉妹が何かを見たとしても、後の角や悪魔の顔まで同じだったとは限らない。

鉤爪の足で石垣に着地したオウルマンを、遠くの家族が目撃する場面
鉤爪の足で石垣に着地したオウルマンを、遠くの家族が目撃する場面

教会塔に棲む鳥

メンフクロウは教会や納屋に巣を作り、白い顔と長い翼で音もなく飛ぶ。ワシミミズクのような大型種なら、耳のように見える羽角と強い爪がある。木の枝や塔を基準に遠くの鳥を見れば、人間ほどの大きさに感じることもある。

マウナンの教会を訪ねる人々は今も、塔と森の間に翼を探す。最初の姉妹の身元が伏せられたままなので、証言をさかのぼって確かめることはできない。残っているのは、シールズが公表した手紙の内容、少女の絵、1976年の夏に続いた数件の報告である。

海霧の墓地で翼を半開きにした梟人が古い墓石の間に立つ場面
海霧の墓地で翼を半開きにした梟人が古い墓石の間に立つ場面
満月を背に教会屋根を越えて飛ぶオウルマンの全身場面
満月を背に教会屋根を越えて飛ぶオウルマンの全身場面
SOURCES

主な参考資料