ベンダーの屋根裏部屋
ベンダーは1952年、自宅を事務局にして国際空飛ぶ円盤局を始め、会報『Space Review』を発行した。翌年、三人の黒服が壁を通るように屋根裏へ現れたと、のちに回想する。三人はテレパシーで話し、円盤研究をやめなければ危険だと告げた。ベンダーは頭痛と恐怖に襲われ、会員へ活動停止を知らせた。
同時代に公開された停止理由は曖昧で、三人の詳しい姿は後から書かれた。ベンダー自身の著書『Flying Saucers and the Three Men』が出たのは1962年である。それまでに、友人のUFO作家グレイ・バーカーが話を一冊の本へしていた。

語りの移り変わり
- 1952年アルバート・ベンダーが国際空飛ぶ円盤局を設立し、会報を発行する。
- 1953年ベンダーが団体を閉鎖し、後に黒服の三人から警告されたと語る。
- 1956年グレイ・バーカーが『They Knew Too Much About Flying Saucers』を刊行する。
- 1990~97年コミックと映画が、黒服を異星人を管理する秘密組織として描く。
『知りすぎた者たち』
バーカーの『They Knew Too Much About Flying Saucers』は1956年に刊行された。ベンダーの活動停止を軸に、UFOを調べた人のもとへ黒い背広の男が来る複数の話を並べる。秘密機関の職員なのか、円盤の乗員なのかは決めず、口止めに来る訪問者としてまとめた。
バーカーはUFO雑誌『The Saucerian』を発行し、読者から届く奇談を面白く書き直すことでも知られた。彼の書簡と原稿を所蔵するクラークスバーグ=ハリソン公共図書館は、本人を『ほら話の語り手で、いたずらを仕掛ける人』とも紹介している。メン・イン・ブラックの初期像には、事実の調査と出版上の演出が最初から混じっていた。

黒い車で来る不自然な男
1960年代以降の報告では、黒いキャデラックやビュイックが目撃者の家へ止まり、二人か三人の男が降りる。黒いスーツ、黒い帽子、白いシャツという服装は古風で、身分証を一瞬だけ見せる。撮った写真や円盤の破片を渡すよう求め、見たことを話せば家族に危険が及ぶと告げる。
男たちは唇に口紅を塗ったように赤い、髪がかつらに見える、食べ物やペンの使い方を知らないとも語られた。政府職員を装っているのに、人間の日常を学び切れていない。こうした細部が増えるほど、実在機関の捜査員より、UFOから来た者に近づいた。

映画の秘密組織
1990年に刊行が始まったローウェル・カニンガムのコミックは、黒服の男たちを超常現象を管理する秘密組織にした。1997年の映画『メン・イン・ブラック』では、エージェントが記憶消去装置を使い、地球に暮らす異星人を監督する。訪問者は目撃者を脅す怪人から、世界を守る職員へ変わった。
映画の黒服は機敏で洒落た制服を着る。ベンダーの三人は輪郭がぼやけ、部屋に硫黄臭を残した。名称は同じでも、1950年代の会報を閉じさせた訪問者と、映画の秘密組織は反対の役目を持っている。





