遊園地の列車で目を覚ます
夢の始まりで、語り手は子どものころに見たような遊園地の列車へ乗っています。車内は薄暗く、何人かの乗客が前を向いたまま座っていました。降りようとするうちに列車が動き、「次は、活けづくり」と男の声で放送が流れます。
駅のような場所へ着くと、小さな人影が乗客を取り囲み、魚をさばくように体を切ります。列車が発車すると、死んだ乗客の席だけが空きました。放送は「えぐり出し」「挽き肉」と次の名前を告げ、そのたびに前の席の者が連れていかれます。

語りの移り変わり
- 2000年8月遊園地の列車で乗客が順番に殺される夢の体験談が匿名掲示板へ投稿される。
- 2003年ごろ投稿を読んだ後に似た夢を見たとする別の体験談が現れる。
- 動画共有期朗読動画やゲームで車内放送、処刑場、運転手の姿が作り足される。
次は自分の番になる
停車するたび、語り手の前にいる乗客が一人ずつ減ります。何が起きるかは放送で先に知らされますが、扉は開かず、走る列車から飛び降りることもできません。最後に自分へ向けた処刑名が流れたところで、語り手は必死に目を覚まします。
目覚めた部屋はいつもと変わらず、夢を見直すこともありません。ところが数年後、眠りに落ちると、前に逃げ出した列車の中へ戻っていました。車内の男は語り手に気づき、「また逃げるんですか」と声をかけます。

目を覚ますための最後の抵抗
二度目の夢で列車は、語り手が処刑される停車場へ近づきます。耳元では男の声が数を数え始めました。語り手は夢だと自分に言い聞かせ、まぶたを開けようとします。数が終わる直前に、ようやく自分の部屋へ戻りました。
安心したところで、耳元に「今度は逃がしませんよ」という声が残ります。語り手は、次に同じ夢を見ても戻れないかもしれないと書き込みました。夢の中で死んだら現実でも死ぬのか、その後に三度目があったのかは語られていません。

2000年の投稿から広がった
猿夢は2000年8月、匿名掲示板2ちゃんねるへ投稿された長文の体験談として知られています。後から付いた表題の「猿夢」は、遊園地の乗り物を運転する猿や、車内で見た猿の姿にちなむとされますが、転載によって題名と本文の結びつき方が変わった版もあります。
元の投稿を読んだ後に似た夢を見たという書き込みや、別の乗客として列車に乗ったという続編も現れました。2003年ごろには、猿夢を読んだ人物が同じ型の夢を見たとする話が投稿されたと紹介されています。最初の語り手の続報とは限らないため、再録では別の投稿として分ける必要があります。

朗読で変わった車内放送
動画や音声で読まれるようになると、放送のノイズ、車輪の音、乗客の悲鳴が加わりました。処刑名や停車順を増やした版、列車の運転手を猿の面をつけた男にした版もあります。文章では数行だった待ち時間が、音声では長く引き延ばされます。
同じ夢を繰り返す経験や、夢の途中で目覚めたと思う経験は実際にもあります。ただし、猿夢の処刑場や列車が共通して現れることを確かめた調査はありません。投稿を読んだ夜に思い出した夢と、2000年の文章にある出来事は分けて記録されます。




