公衆電話から自分へ電話する
夜、公衆電話に十円玉を入れ、自分の携帯番号を押します。携帯電話が鳴ったら公衆電話の受話器で決まった言葉を唱え、両方を切る。版によっては、公衆電話へ携帯からかけ直す、硬貨を置いたまま帰る手順もあります。
呼び出した後は、さとるくんから連絡が来るまで待ちます。こちらからかけ直してはいけません。最初の電話は遠い駅や町の入口からで、着信ごとに自宅へ近づきます。途中で電源を切ると怒らせるという決まりも加わりました。

語りの移り変わり
- 2000年代公衆電話から自分の携帯電話へかけ、質問相手を呼ぶ手順がネットで広まる。
- 2015年『眠れないほど面白い都市伝説 驚愕篇』に電話を使う降霊術として収録される。
- 2021年漫画『こっち向いてよ!さとるくん』が発表される。
- 現在公衆電話を使う古い手順と、スマートフォンの着信を使う派生が併存する。
背後へ来るまで振り向かない
「今、あなたの後ろにいるよ」と聞こえても、すぐに振り向いてはいけません。前を向いたまま、用意していた質問を一つだけ伝えます。過去の出来事、なくした物の場所、将来起きることまで、さとるくんは答えられるとされます。
同じ質問を二度する、答えられないことを尋ねる、礼を言わずに電話を切ると襲われる版があります。質問に答えた後、さとるくんが「もういい?」と聞き、許可を出せば去る話もあります。振り返った者が何を見たかは、顔のない少年、黒い影、誰もいない部屋と分かれます。

メリーさんと逆の始まり
現在地を電話で告げながら近づく順序は、メリーさんの電話と同じです。ただし、メリーさんは捨てられた人形から一方的にかけてきます。さとるくんを呼ぶのは、答えを知りたい質問者自身です。
怪談の途中でやめにくいのも、その違いから生まれます。自分で始めたため、最後の質問まで進まなければさとるくんを帰せない。何でも知っている相手を呼ぶ代わりに、家の場所と背中を明け渡します。

携帯電話が加わって成立した手順
公衆電話と携帯電話を同時に使う現在の呼び出し方は、個人が携帯を持つようになった2000年代の通信環境に合っています。家族共用の固定電話では、自分自身へ発信し、移動しながら着信を受ける手順を作れません。
公衆電話が減った後も、呼び出し方は古い形のままネット記事や動画へ残りました。スマートフォン版では、非通知着信、位置情報、充電残量が加わります。相手が近づく場所も、たばこ屋や電話ボックスから、コンビニやマンションの入口へ変わりました。

本と漫画に登場した質問相手
国立国会図書館の書誌では、2015年刊『眠れないほど面白い都市伝説 驚愕篇』に「電話を使う降霊術『さとるくん』とは?」という項目があります。2021年には、都市伝説を呼び出した高校生を描く漫画『こっち向いてよ!さとるくん』も発表されました。
本や漫画では、さとるくんの性格や姿、答えられない質問が作品ごとに作られています。口コミで共有されたのは、電話で呼ぶこと、近づいてくること、背後へ来た時に一つ尋ねることです。実在の電話番号を使う再現は、無関係な相手への迷惑電話になるため、番号そのものは伝承資料に残しません。




