十台の携帯電話で輪を閉じる
十人は円形に並び、一人目から二人目、二人目から三人目へと、隣の携帯番号を登録する。最後の十人目は一人目へかける。合図を決めて全員が同時に発信すれば、受ける側も電話をかけているため、普通ならどの回線も話中になるはずだった。
ところが、一台だけがどこかへつながる。受話口から聞こえるのは、怪人アンサーを名乗る声だ。携帯を順に渡すと、九人は知りたいことを一つずつ尋ねられる。試験の答え、好きな人の気持ち、まだ起きていない出来事まで、アンサーはその場で答えた。

語りの移り変わり
- 2002年8月10日都市伝説サイトの掲示板に、十台の携帯電話で怪人アンサーを呼ぶ話が投稿される。
- 2002年10月東京新聞Web版の記事で、ネット上の新しい怪異として紹介される。
- 2003年テレビ番組で取り上げられ、投稿者を名乗る人物による種明かしへ進む。
- 現在スマートフォンやグループ通話に手順を変えた版がネットで再話される。
最後の一人だけが質問される
十人目の番になると、アンサーは答えるのをやめ、自分から難問を出す。相手が答えられないまま制限時間を過ぎると、携帯電話の小さな画面から人間の腕が伸びてくる。
その手は通話者の耳や指、目を一つ奪い、画面の中へ戻る。どこを取られるかは話ごとに違う。九人が無事に答えを聞いても、最後の一人はアンサーの問いから逃げられない。

体を集めている頭だけの怪人
アンサーは頭だけで生まれ、完全な人間の体を欲しがっているという。答えられなかった相手から一つずつ部位を奪い、首から下を作る。そのため、十人に一人だけ自分でも答えられない質問をぶつける。
声は男、子ども、機械音など一定しない。顔は画面に映らず、液晶から腕だけが突き出す版もある。何人分の体を集めたのか、完成した時に何をするのかは語られない。

2002年8月の投稿記録
ネット上の噂を記録していたサイト『現代奇談』には、2002年8月10日、怪人アンサーの情報が掲示板へ寄せられた。十台の携帯、輪を作る同時発信、九人への回答、一人への逆質問、液晶から伸びる手まで、この投稿にそろっている。
管理者は当時の2ちゃんねるも探したが、同じ投稿を確認できなかったと記している。同年10月3日には東京新聞Web版の記事で紹介され、映像作品『本当にあった!!都市伝説』にも収録された。2003年にはテレビ番組『運命のダダダダーンZ』が取り上げた。

噂を流した本人が名乗り出る
新聞やテレビは、全国の中高生に伝わる噂として怪人アンサーを紹介した。しかし、2002年より前の採録は少なく、8月の掲示板投稿から最初の新聞記事までは二か月ほどしかない。後には、複数の都市伝説サイトへ自分が投稿したと名乗る人物も現れた。
十台の携帯を同時に使うには、友人十人が同じ場所へ集まらなければならない。スマートフォンが主流になると、グループ通話やビデオ通話で呼び出す版が作られた。それでも、九人が答えを聞いた後、最後の一人だけが怪人から問われる順番は残った。




