目が合っても声を上げない
来客は、床へ落とした物を拾おうとした時にベッドの下をのぞく。暗がりには男が腹ばいになり、こちらを見ていた。手には包丁がある。来客が驚いたと気づけば、その場で襲われるかもしれない。彼女は何も見なかった顔で立ち上がり、忘れ物を理由に家主を部屋から出そうとする。
廊下や路上まで離れてから警察へ連絡し、男は逮捕される。男が『あの女が気づいたと分かっていたら二人とも殺した』と話す結末もある。別の版では、警察が到着した時には男は消え、ベッドの裏側に刃物の傷だけが残っている。

語りの移り変わり
- 20世紀後半欧米で、寝室に侵入者が潜む複数の都市伝説が採録される。
- 1990年代以降日本の都市伝説集やテレビで、友人がベッドの下の男を見つける形が広まる。
- 2000年代以降掲示板や投稿サイトで、恋人、配達員、ホテルを使う版が流通する。
恋人やタクシー運転手が助ける版
家主と来客の関係は、話す人に合わせて変わる。恋人の部屋を訪ねた男性が、床へかがんだ時に男を見つけ、コンビニへ行こうと誘う版。配達員が玄関から室内の異変を察し、荷物の受け取りに身分証が要ると言って住人を外へ出す版もある。
ホテルを舞台にすると、ベッドの下から臭いがするという別の都市伝説と接続する。宿泊客がフロントへ苦情を言い、従業員がマットレスの下から遺体を見つける話である。隠れている生きた男と、すでに置かれた遺体は別の筋だが、日本の再話では題名が混同されることがある。

寝室のすぐ下にいる人
欧米には、眠る女性がベッドの脇へ手を垂らし、飼い犬に舐めてもらう話がある。翌朝、犬は別の場所で死んでおり、壁には『人間も舐められる』と書かれている。侵入者が寝室にいた点は似ているが、来客が機転を利かせて住人を救う『ベッドの下の男』とは展開が違う。
日本では1990年代以降の都市伝説集やテレビ番組、ネット掲示板で繰り返し紹介された。携帯電話が普及すると、来客が家主へ無言でメッセージを送り、一緒に逃げる版も現れる。それでも、男を刺激しないために平静を装う場面は変わらない。






