笑顔の像がついてくる
老人からカセットを受け取ったJadusableは、前の持ち主について『同じくらいの年の少年だった』と聞く。BENのデータを消した後、ゲームは本来と違う場所へリンクを飛ばす。時計塔の町には住人がおらず、『いやしの歌』が逆向きに流れ、リンクは突然炎に包まれて死ぬ。
空っぽの像は、遠くの屋根や部屋の隅からリンクを見る。ゲームを終了してもセーブデータは『YOUR TURN』などに変わり、JadusableのYouTubeへ本人が上げていない動画が現れる。掲示板の読者は映像を一緒に確認し、次に試す操作を提案した。

語りの移り変わり
- 2010年9月7日アレックス・ホールがJadusable名義で4chan /x/へ最初の投稿を行う。
- 2010年9月7~12日文章とYouTube動画で、BENに侵食されるカセットの第一部が進む。
- 2010年9月~2011年7月Moon Childrenのサイトを使う第二部が、読者参加型ARGとして展開する。
- 2020年動画と新サイトで最終章が再開し、十年にわたる物語が完結する。
四日間の掲示板投稿
最初の投稿は2010年9月7日、4chanの超常現象板/x/に掲載された。作者アレックス・ホールはJadusable名義で、体験が進行中であるように数日間書き続ける。Nintendo64エミュレータとゲーム改造を使って映像を作り、本文で起きた異常をYouTubeへ載せた。
読者が動画の暗号や音を解析すると、次の投稿へ反映された。JadusableはBENをカセットへ閉じ込めるため、書き込みを止めると告げる。直後に別の文体の投稿が現れ、『彼はもう自由になった』と読者へ話しかける。怪談の登場人物が掲示板の外へ出た形で第一部が終わった。

Moon Childrenのサイト
動画の手がかりから、読者はyoushouldnthavedonethat.netへ導かれた。そこには月を信仰し、『昇天』のため命を捧げる集団Moon Childrenの会員ページがある。BENは溺死した少年で、教団の儀式に関わったらしい。ページは日付や閲覧者の操作で変わり、会員の日記が消える。
この第二部は2010年9月17日から2011年7月まで続いた。読者はサイト内の投票で登場人物の行動を選び、暗号を解いた。単に読む短編ではなく、参加者の判断で公開順と結末が動く代替現実ゲームになった。

十年後に再開した物語
ホールは学業や制作上の事情で長く更新を止めた後、2020年にJadusableの動画チャンネルを再始動した。最終章ではBENを一人の幽霊ではなく、教団の死者とゲーム内プログラムが結びついたネットワークとして描き直す。
原作のカセットは実在の呪物ではなく、映像とサイトを含めて計画された創作である。だが読者が投稿中に作者へ質問し、ゲーム画面の異常を自分で検証する形式は、後の呪われたゲーム怪談へ大きく影響した。BENの像が画面の奥で動かないほど、次に誰が操作しているのか分からなくなる。





