七年ではなく、十年ごとに現れる
『The Legend』は、1887年にウェックスフォード郡の木こりが人犬に出会い、一人だけ戻ったという場面から始まる。1937年には川で釣りをする男の前へ現れ、1957年には車を襲う。最後は1987年、古い小屋で千年前の巻物が見つかり、怪物の名を読んだ者が死ぬ。出来事が十年単位で並ぶため、次の出現年まで予告できる作りになっていた。
クックは後に、1887年の木こり事件を調べて書いたわけではないと説明した。百年前という区切りのよい年を選び、ラジオ用の短い歌に仕立てた。放送を聞いた人々は歌を地元の古い伝承だと思い、家族から聞いた話や、自分が森で見た影を局へ伝えた。

語りの移り変わり
- 1987年4月1日WTCM-FMがスティーヴ・クック作『The Legend』をエイプリルフール企画で放送する。
- 1987年春目撃したという電話と手紙が局へ届き、歌の録音版が作られる。
- 1990年代ウィスコンシン州のブレイ・ロードの獣が報じられ、犬頭の怪物伝承が州境を越えて結びつく。
- 2000年代以降ネット、映画、動画を通じて過去の目撃一覧と十年周期の設定が広がる。
放送局に届いた手紙
手紙には、二本足で立つ大きな犬を道路脇で見た、農家の窓から人のようにのぞいていた、車の前を横切ったという話が書かれていた。歌より前の日付を持つ証言もあったが、放送後に記憶をたどって語られたものが多い。怪物の名前を先に知っていた人はほとんどいなかった。
反響を受け、クックは歌を録音して販売した。続編も作られ、地元テレビは怪物の絵を募集した。犬頭の狼人間という姿は、ばらばらだった目撃談をまとめる看板になった。

ブレイ・ロードから来た獣
1990年代、隣のウィスコンシン州エルクホーン近郊で、道路脇にしゃがむ毛深い獣の目撃が報じられた。記者リンダ・ゴッドフリーが調べ、『ブレイ・ロードの獣』の名で記事と本にまとめる。四本足で走った後に立ち上がる、犬に似た顔を持つという証言は、ミシガンのドッグマンとよく並べられた。
二つの州の話がネットで混ざると、古い目撃の一覧はさらに増えた。森の狼人間、先住民の伝承、家畜を襲う獣まで同じ系譜に置かれることもある。1987年の歌で作られた十年周期は、その後の報告にも残り、1997年、2007年が近づくたびに新しい目撃が注目された。

歌が作った地元の怪物
ミシガン北部は森林と湖が多く、夜の道路では熊、鹿、コヨーテが車の前へ出る。立ち上がった熊を短時間見れば、人の体に犬の頭がついているように見えたという説明も出た。写真や死骸によって未知の動物が確認された例はない。
それでもドッグマンは、単なる放送の冗談では終わらなかった。聞いた人が自分の記憶を語り、絵を描き、地元の森へ置き直したからだ。クックが作った旋律を離れた後も、怪物は州の土産物、映画、目撃動画に現れている。





