午前零時、扉を二十二回叩く
必要な物は、紙、筆記具、自分の血、ろうそく、火をつける道具、塩、木の扉である。紙にフルネームを書き、血を染み込ませる。午前零時になる直前、紙を扉の前に置いて家中の照明を消す。ろうそくへ火をつけ、二十二回目のノックが零時ちょうどになるよう扉を叩く。扉を一度開閉してから、消したろうそくへ再び火をつける。
儀式が成功すると、参加者はろうそくを持って家の中を移動する。途中で眠ってはいけない。同じ場所にとどまることも禁じられる。急に寒くなる、ささやき声がする、人影が見える、ろうそくが消える。どれかが起きれば、ミッドナイト・マンが近くにいる。

語りの移り変わり
- 2010年前後手順を記した文章が4chanや怪談サイトで広がる。
- 午前0時(手順)二十二回のノックでミッドナイト・マンを家へ招く。
- 午前3時33分(手順)この時刻まで逃げ切ればゲーム終了とされる。
- 2010年代実演動画、小説、映画へ題材が広がる。
十秒と塩の輪
炎が消えたら、十秒以内にもう一度つける。間に合わないときは塩で自分を囲み、その輪から出ずに午前三時三十三分を待つ。怪人は参加者が最も恐れているものを見せ、幻覚の中へ閉じ込めるとされる。塩を持たない、輪が途中で切れる、眠ってしまう。その先に何が起こるかは、死や永久の苦痛という言葉だけで書かれている。
三時三十三分になればゲームは終わる。ただし、ミッドナイト・マンが家から出たとは限らず、影の中で待ち続けるという追記もある。細かな時刻と道具、失敗した場合の予備手順まで揃っているため、読むだけで実行の場面を組み立てられる。

『古い異教の儀式』という設定
流布した文章は、このゲームを異教の掟を破った者へ行う古い処罰だったと紹介する。しかし、宗教名、地域、年代、儀礼を記録した文献は挙げられていない。確認できる広がりは、二〇一〇年前後の4chan超常現象板やCreepypasta Wikiなど、インターネット上の投稿からである。
後には、挑戦の結果を報告する動画や派生小説が増え、二〇一三年の映画『The Midnight Game』、二〇一七年の映画『The Midnight Man』にも取り入れられた。公開された手順はほぼ同じでも、体験談に現れる足音、黒い姿、見せられる幻覚は投稿者ごとに変わる。家そのものを舞台にできるため、読み手の廊下や扉がそのまま怪談の場所になった。






