玉座、女王、道化
準備は前夜の十一時ごろに始める。中央の椅子を北へ向け、その左右に鏡を載せた椅子を置く。玉座の後ろでは扇風機を回し、前方の手が届かない位置へ水を入れたバケツとコップを置く。持ち物は、ろうそく、ライター、充電した携帯電話、目覚まし、思い入れのある品。万一のときに起こしてくれる協力者も必要とされる。
部屋の照明を消し、扉と扇風機はそのままにして眠る。三時三十分に目覚ましが鳴ったら、三分以内にろうそくへ火をつけ、玉座へ座る。扉が閉じている、扇風機が止まっている、携帯電話の充電が切れている。このどれかが起きていたら、家から出て儀式を中止する。

語りの移り変わり
- 2012年FableForgeがRedditへスリー・キングスの手順を投稿する。
- 午後11時(手順)三脚の椅子、二枚の鏡、扇風機などを暗室へ配置する。
- 午前3時33分(手順)中央の玉座へ座り、女王と道化への質問を始める。
- その後専用コミュニティに実行報告と多数の派生儀式が集まる。
視界の端にいる二人
玉座では正面の暗闇を見る。左右の鏡をのぞき込んではいけない。しばらくすると部屋に誰かがいる気配が生まれ、質問への答えが聞こえるという。片方は女王として導き、もう片方は道化として嘘をつく。ただし、どちらがどちらなのかは最後まで明かされない。中央に座る自分も、鏡の中の二人から見れば三人目の王になる。
終了は四時三十四分。協力者が入口から名前を呼び、反応がなければ携帯電話を鳴らす。それでも戻らなければ、バケツの水をかける。扇風機は、体が急に動かされたときろうそくを吹き消す位置に置かれている。鏡、炎、暗闇の配置を崩すことで、儀式も終わるとされた。

一つの投稿から生まれた儀式群
この手順は二〇一二年、FableForge名義の利用者がRedditの怪談掲示板r/nosleepへ投稿した。古い宗教儀礼の記録ではなく、投稿者が手順を示し、読者が実行結果を書き込む形で始まった。その後、儀式怪談を集めるr/threekingsが作られ、別の鏡遊びや異世界へ行く手順も同じ場所へ集まった。
暗所で鏡を視界の端に置き、睡眠を中断した直後に、ろうそくと扇風機の音だけで一時間座る。投稿された体験談には、顔の変形、ささやき、冷気、時間感覚の乱れが繰り返し現れる。手順の版によって終了時刻や部屋へ戻れる時刻は異なるが、三脚の椅子と二枚の鏡、三時三十三分という骨組みは保たれている。






