現代怪異資料館MODERN KAIKI ARCHIVE
奇怪千万現代怪異資料館スリー・キングス
FILE 93 / 儀式怪談・鏡の王座

スリー・キングス

すりーきんぐす

二枚の鏡の間に座ると、左右の王が暗闇から問いに答える

窓のない部屋に椅子を三脚置く。中央は自分が座る「玉座」、左右の椅子には大きな鏡を載せる。正面を見たままでも、鏡に映る自分が視界の端へ入る角度に合わせる。午前三時三十三分、ろうそく一本を持って玉座へ座れば、左右には「女王」と「道化」がいる。どちらが真実を答えるかは分からない。

窓のない地下室で、中央の王座と左右の鏡を載せた二脚の椅子が並ぶ場面
窓のない地下室で、中央の王座と左右の鏡を載せた二脚の椅子が並ぶ場面

玉座、女王、道化

準備は前夜の十一時ごろに始める。中央の椅子を北へ向け、その左右に鏡を載せた椅子を置く。玉座の後ろでは扇風機を回し、前方の手が届かない位置へ水を入れたバケツとコップを置く。持ち物は、ろうそく、ライター、充電した携帯電話、目覚まし、思い入れのある品。万一のときに起こしてくれる協力者も必要とされる。

部屋の照明を消し、扉と扇風機はそのままにして眠る。三時三十分に目覚ましが鳴ったら、三分以内にろうそくへ火をつけ、玉座へ座る。扉が閉じている、扇風機が止まっている、携帯電話の充電が切れている。このどれかが起きていたら、家から出て儀式を中止する。

午前3時30分、蝋燭を持つ人物が中央の椅子へ座り正面だけを見る場面
午前3時30分、蝋燭を持つ人物が中央の椅子へ座り正面だけを見る場面

語りの移り変わり

  1. 2012年FableForgeがRedditへスリー・キングスの手順を投稿する。
  2. 午後11時(手順)三脚の椅子、二枚の鏡、扇風機などを暗室へ配置する。
  3. 午前3時33分(手順)中央の玉座へ座り、女王と道化への質問を始める。
  4. その後専用コミュニティに実行報告と多数の派生儀式が集まる。

視界の端にいる二人

玉座では正面の暗闇を見る。左右の鏡をのぞき込んではいけない。しばらくすると部屋に誰かがいる気配が生まれ、質問への答えが聞こえるという。片方は女王として導き、もう片方は道化として嘘をつく。ただし、どちらがどちらなのかは最後まで明かされない。中央に座る自分も、鏡の中の二人から見れば三人目の王になる。

終了は四時三十四分。協力者が入口から名前を呼び、反応がなければ携帯電話を鳴らす。それでも戻らなければ、バケツの水をかける。扇風機は、体が急に動かされたときろうそくを吹き消す位置に置かれている。鏡、炎、暗闇の配置を崩すことで、儀式も終わるとされた。

左右の鏡の周辺に、本人とは別の二つの暗い横顔が浮かぶ場面
左右の鏡の周辺に、本人とは別の二つの暗い横顔が浮かぶ場面

一つの投稿から生まれた儀式群

この手順は二〇一二年、FableForge名義の利用者がRedditの怪談掲示板r/nosleepへ投稿した。古い宗教儀礼の記録ではなく、投稿者が手順を示し、読者が実行結果を書き込む形で始まった。その後、儀式怪談を集めるr/threekingsが作られ、別の鏡遊びや異世界へ行く手順も同じ場所へ集まった。

暗所で鏡を視界の端に置き、睡眠を中断した直後に、ろうそくと扇風機の音だけで一時間座る。投稿された体験談には、顔の変形、ささやき、冷気、時間感覚の乱れが繰り返し現れる。手順の版によって終了時刻や部屋へ戻れる時刻は異なるが、三脚の椅子と二枚の鏡、三時三十三分という骨組みは保たれている。

女王側の鏡から白い手が縁へかかり、愚者側では黒い影が笑う場面
女王側の鏡から白い手が縁へかかり、愚者側では黒い影が笑う場面
扉の外で友人が時計を見ながら、暗室の中の参加者を呼び戻す場面
扉の外で友人が時計を見ながら、暗室の中の参加者を呼び戻す場面
蝋燭が消えた王座で参加者が横を向き、二枚の鏡の人物が同時にこちらを見る場面
蝋燭が消えた王座で参加者が横を向き、二枚の鏡の人物が同時にこちらを見る場面
SOURCES

主な参考資料