現代怪異資料館MODERN KAIKI ARCHIVE
奇怪千万現代怪異資料館赤い扉、黄色い扉
FILE 94 / 集団遊び・心の回廊

赤い扉、黄色い扉

あかいとびらきいろいとびら

目を閉じて扉を選ぶと、頭の中の部屋に知らない男が待つ

旅をする役は床へ横になり、案内役の膝に頭を載せる。案内役はこめかみを指でなぞりながら、『赤い扉、黄色い扉、ほかの色の扉』と繰り返す。閉じた目の中に廊下や扉が見えたら、旅人は腕を下ろし、見えているものを声に出す。そこから先は、本人の想像にしかない家の探索になる。

薄暗い部屋で、少女が友人の膝へ頭を置き両腕を上げて目を閉じる場面
薄暗い部屋で、少女が友人の膝へ頭を置き両腕を上げて目を閉じる場面

頭の中の廊下へ入る

旅人は仰向けになり、両腕を上へ伸ばして目を閉じる。周囲にいる人も案内役と一緒に言葉を繰り返すことがある。色の付いた扉や長い廊下が浮かんだら、旅人は腕を下ろす。案内役は、何色の扉があるか、部屋は明るいか、窓や階段が見えるかを尋ねる。旅人は一つを選び、開いた先の景色を順に説明する。

扉に鍵がかかっていれば、ポケットの中を探すよう促される。見つけた鍵で別の扉が開くこともある。階段は上へ進む方がよく、地下へ下りる道は避ける。時計がたくさんある部屋には長居しない。黒い服の男や、顔の見えない人物が現れたら、すぐに前の部屋へ戻る。こうした注意は版によって増減する。

案内役がこめかみへ触れる中、少女の意識に赤と黄色の扉が並ぶ長い廊下が現れる場面
案内役がこめかみへ触れる中、少女の意識に赤と黄色の扉が並ぶ長い廊下が現れる場面

語りの移り変わり

  1. 2011年11月現在確認されている初期の手順がDeviantArtへ掲載される。
  2. 2012年7月『The Doors of Your Mind』の名でRedditへ投稿される。
  3. 2010年代複数の名称で動画や体験談が蓄積する。
  4. 2020年TikTokの実演動画によって再び大きく流行する。

戻れなくなる前に起こす

旅人が怯える、返事をしなくなる、逃げ道を見つけられない。その場合、案内役は名前を呼び、肩を揺らして目を覚まさせる。想像の中で死ぬと現実へ戻れない、時計のある部屋では時間を奪われる、といった警告も語られるが、ネット上の手順に付いた怪談上の決まりである。

実際に行われるのは、一定の言葉と接触を使った誘導イメージである。旅人は先に聞いた禁則や、案内役から受けた質問を手掛かりに室内を作る。恐ろしい人物が出ると教えられていれば、曖昧な人影にも危険な役割が与えられる。二人が会話を続けるため、旅人の想像と案内役の問いかけが一つの体験談になっていく。

赤い扉を開けた先に古い時計が壁一面へ並ぶ無人室がある場面
赤い扉を開けた先に古い時計が壁一面へ並ぶ無人室がある場面

名前を変えて続いた遊び

起源は特定されていない。『Doors of Your Mind』『Black Door, White Door』などの名でも呼ばれ、ネット以前に友人同士で遊んだという証言もある。現在確認されている初期の記録には、二〇一一年十一月にDeviantArtへ掲載された手順があり、二〇一二年七月にはRedditのr/threekingsへ『The Doors of Your Mind』として投稿された。

二〇二〇年、実演動画がTikTokで流行すると、題名は『Red Door, Yellow Door』へほぼ統一された。横になった参加者が急に目を開ける短い映像や、黒い人物を見たという報告が共有される。案内役と旅人がその場で作るため、同じ手順でも現れる部屋は毎回異なる。

黄色い部屋の椅子に顔の見えない男が座り、少女の方へゆっくり振り返る場面
黄色い部屋の椅子に顔の見えない男が座り、少女の方へゆっくり振り返る場面
現実の部屋で案内役が反応しない少女の名を呼び、肩を揺らす場面
現実の部屋で案内役が反応しない少女の名を呼び、肩を揺らす場面
廊下を戻る少女の背後で、開けていない黒い扉から長い手が伸びる場面
廊下を戻る少女の背後で、開けていない黒い扉から長い手が伸びる場面
SOURCES

主な参考資料