二枚の古い写真
Something Awfulのスレッドは、普通の写真を加工して超常現象らしく見せる企画だった。ハンドル名Victor Surgeを使うクヌーセンは、子どもの集団写真へ長い手足の人物を足し、架空の写真家名と失踪事件の説明を書いた。翌日には別の写真と文章も投稿した。
最初から作り物であることはスレッドの参加者に分かっていた。それでも白い顔の男は、遠くに小さく置いても見分けられ、別の写真へ足しやすかった。ほかの利用者が古い木版画、病院記録、目撃談を作り、何世紀も前からいたような履歴を与えた。

語りの移り変わり
- 2009年6月10日エリック・クヌーセンがSomething Awfulへ最初の二枚を投稿する。
- 2009年6月以降『Marble Hornets』と共同投稿が、映像ノイズ、記憶障害、触手などの設定を加える。
- 2012年無料ゲーム『Slender: The Eight Pages』が実況動画を通じ世界的に広がる。
- 2014年5月31日ウォーキシャで少女二人が同級生を刺し、スレンダーマンへの信奉を動機として話す。
マーブル・ホーネッツの映像
同じ2009年6月、YouTubeで『Marble Hornets』が始まる。映画を撮っていた友人が失踪し、残されたテープを調べると、画面の奥に『オペレーター』と呼ばれる長身の男が映る。カメラのノイズ、欠けた記憶、咳や吐き気が近づく合図になった。
短い投稿を追う視聴者は、映像の時刻や背景を調べ、登場人物の別アカウントとやり取りした。スレンダーマンは一人の作者の短編から離れ、見る人が手がかりを探す連続物語へ移る。背中から伸びる触手や、森にある館という設定も作品ごとに増えた。

ゲームで振り返る怪物
2012年の無料ゲーム『Slender: The Eight Pages』では、プレイヤーが夜の森で八枚の紙を集める。紙を取るほどスレンダーマンが近づき、振り向いた画面に白い顔が現れる。武器はなく、走って視線を切るしかない。実況動画が大量に投稿され、怪異を知らない層にも姿が広がった。
ゲーム、イラスト、なりきり投稿には共通の公式設定がない。子どもを守る者、殺す者、別世界へ連れていく者と役割が変わる。作者クヌーセンは最初の姿を作ったが、後の物語の多くは匿名の参加者が足した。

2014年の刺傷事件
2014年5月31日、ウィスコンシン州ウォーキシャで、十二歳の少女二人が同級生を森へ誘い、刃物で十九回刺した。被害者は道路まで這って助けを求め、生還した。二人は警察に、スレンダーマンの存在を証明し、家族を守るための生贄が必要だったと話した。
事件では一人に統合失調症が認められ、二人は長期の精神医療措置を受けた。創作を読んだ人が通常同じ行動を取るわけではないが、現実の被害は無視できない。2009年の投稿日時と作者が明らかな怪異が、五年後には一部の子どもに実在の命令者として受け取られていた。





