心霊体験談短編集
youtubeに投稿する動画を撮りに一人で心霊スポットへ
カクヨム掲載作品の紹介ページです。脚色を含む実話・モデルのある作品として扱い、全文転載はせず、概要と第1話冒頭のみ掲載しています。
連載状態: 連載中 / ジャンル: ホラー / 収録話数: 69話
概要
Youtubeで活動している奇怪千万です
チャンネルは過疎です
心霊スポットへ一人で行って撮影してます
noteでは心霊スポット調査報告を投稿しています。
霊の存在を証明するという目的の為
事故物件中心に住んでいます
今現在は一家無理心中のあった事故物件に住んでます
コネや伝手を使って曰くの品々を集めています
今現在でも週に2回は心霊スポット撮影及び検証に行ってるので
不思議な体験や怖い思いをしたことが何百回とあります
日本全国で地元住民に凸して話を聞いて情報収集もしています
自分が体験した話、地元住民から聞いた話を加筆修正して物語的にしていこうと思ってます。
その中でも比較的軽い感じの話を書いていきます
目次
- 第1話 東京都心霊スポット 『八王子城』
- 第2話 入院中の怖い体験
- 第3話 エレベーター
- 第4話 隣の部屋
- 第5話 2:44
- 第6話 隣の窓
- 第7話 神奈川県の心霊スポットでの体験談
- 第8話 ただいま
- 第9話 誰も予約していない古民家
- 第10話 僕の後ろにいる女性
- 第11話 『しまこ』
- 第12話 入院中の話
- 第13話 四〇六は、下にある
- 第14話 水道
- 第15話 やる気がない
- 第16話 手相
- 第17話 電話ボックス
- 第18話 スマホ
- 第19話 友人G
- 第20話 変なおじさん
- 第21話 祭
- 第22話 トンネルの声
- 第23話 踏切
- 第24話 自販機
- 第25話 四人
- 第26話 内装
- 第27話 先客
- 第28話 花束
- 第29話 自販機
- 第30話 ミラー越し
- 第31話 撮れてたもの
- 第32話 写真の順番
- 第33話 回覧板
- 第34話 コインランドリー
- 第35話 利根川
- 第36話 洗濯物
- 第37話 帰り道
- 第38話 動画
- 第39話 床下
- 第40話 数
- 第41話 花
- 第42話 歩道橋
- 第43話 道の駅
- 第44話 千葉の廃神社
- 第45話 堤防
- 第46話 遍路
- 第47話 ミツイワ
- 第48話 北陸の国道で
- 第49話 茨城県心霊スポット『姫の墓』
- 第50話 群馬県心霊スポット『はねたき橋』
- 第51話 見えない人たち
- 第52話 広島県心霊スポット『魚切ダム』
- 第53話 鹿児島心霊スポット『開聞トンネル』
- 第54話 長崎県心霊スポット『つがね落としの滝』
- 第55話 長崎県心霊スポット『原城跡』
- 第56話 長崎県心霊スポット 茶々子の墓
- 第57話 熊本県心霊スポット『旧佐敷トンネル』
- 第58話 熊本県心霊スポット『田原坂』
- 第59話 大分県心霊スポット『湯布院キリシタン墓群』
- 第60話 福岡県心霊スポット『牛頸ダム』
- 第61話 愛媛県心霊スポット『旧三瓶トンネル』
- 第62話 徳島県心霊スポット『母子の墓』
- 第63話 埼玉県心霊スポット『栗谷瀬橋』
- 第64話 富山県心霊スポット『古洞ダム』
- 第65話 石川県心霊スポット『旧四十九院トンネル』
- 第66話 石川県心霊スポット『戸谷隧道』
- 第67話 石川県心霊スポット『ヤセの断崖』
- 第68話 和歌山県心霊スポット『雨の森』
- 第69話 神奈川県心霊スポット『旧長瀬隧道』
第1話 東京都心霊スポット 『八王子城』
僕の愛車スーパーカブのエンジン音が、山道の静寂に溶けていく。
東京都八王子市。
都心から電車で一時間足らずの場所にそれはある。
北条氏照が築いた難攻不落の山城、八王子城跡。
天正十八年、豊臣秀吉の北条攻めの折に三万とも言われる軍勢によって城は陥落した。
城に残っていた女たちは辱めを受けるくらいならと、城山川へ身を投じた。
以来、この地では水辺に女の霊が現れると語り継がれている。
僕の名前は奇怪千万。三十二歳。チャンネル登録者数は過疎だ。
深夜零時を回ったあたりでカブを停めた。
ヘルメットを外すと、十月の山の空気が顔を刺す。
息が白い。
駐車場には俺の愛車だけが、ぽつんと置き去りにされたように佇んでいた。
「さて」
独り言は動画でも普段の生活でも変わらない癖だ。
カメラを起動する。
ウエストポーチにはトリフィールドメーター、サーモグラフィー、スピリットボックス、ばけたんワラシ、バイノーラルマイク、フィールドレコーダー、予備ライト2本、モバイルバッテリー。
これが僕の心霊装備だ。
石段を上り始めた。懐中電灯の光の輪の中に、落ち葉と苔むした石畳が浮かびあがる。
静かだった。
虫の声すらしない。
十月にしては不自然なほどの、完全な無音。
それが最初の違和感だった。
御主殿跡に着いたのは、出発から二十分ほど経った頃だった。
かつて城主一族が暮らしていたとされる平場。
草に覆われた礎石が、懐中電灯の光の中に整然と並んでいる。
僕はここで一度カメラに向かって状況説明を録った。
喋りながら妙なことに気づいた。
自分の声が変だ。
こもっているというか反響が、おかしい。
周囲には反射するものが何もないのに、声がわずかに遅れて返ってくる気がする。
エコーではない。
まるで、誰かが一秒後に俺の言葉を繰り返しているような。
「……気のせいか」
そう呟いた直後だった。
レコーダーのレベルメーターが、ピクリと動いた。
俺は無音のはずの場所に立っている。
風もない。
木の葉が擦れる音もない。
なのに、マイクは何かを拾っていた。
レコーダーにイヤホンをつけて耳…
