神流湖(琴平橋)シリーズ

実話怪談

第4話 網は“落ちる人”を守らない。落ちた“声”を逃がさない

心霊スポット怪談「第4話 網は“落ちる人”を守らない。落ちた“声”を逃がさない」。Tは、橋の中央で立ち尽くしたまま動かなくなった。 彼の目は開いている。僕を見ている。 でも焦点が合っていない。 まるで、視線が僕の後ろ――網の向こう…
実話怪談

第5話 橋を渡るな。数を渡せ

心霊スポット怪談「第5話 橋を渡るな。数を渡せ」。僕らは、逃げるように慰霊碑へ向かった。 夜のダムサイトは人の気配がない。管理所の灯りも遠い。 慰霊碑の前に立つと、空気が少しだけ“乾く”。湖の匂いが薄まる。 ここはまだ、弔いの場所…
実話怪談

第1話 赤い橋に、網が張られている

心霊スポット怪談「第1話 赤い橋に、網が張られている」。YouTube撮影の依頼は、いつもみたいに軽かった。 「群馬の神流湖。琴平橋って赤い橋、知ってる? そこ、撮ってきて」 電話口の友人Tは、観光動画でも回すみたいな口調で言った…
実話怪談

第2話 慰霊碑の花は、必ず八本

心霊スポット怪談「第2話 慰霊碑の花は、必ず八本」。翌日、僕は昼の神流湖へ戻った。 夜の湖を見たあとだと、昼の景色はあまりに「普通」で、逆に不気味だ。釣り人がいて、走り屋みたいな車がいて、売店の自販機がきちんと光っている。 ここが…
実話怪談

第3話 門ヶ谷トンネルの出口で、車が空っぽになる

心霊スポット怪談「第3話 門ヶ谷トンネルの出口で、車が空っぽになる」。Tと合流したのは、次の夜だった。 彼は痩せて見えた。というより、皮膚が一枚薄くなったようだった。 「……君。行ったんだな。抜鉾も」 彼は僕の手元――カメラバッグ…
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