都筑IC第一トンネル

神奈川県

皆さんこんにちは、奇怪千万です。

今回の検証対象は、横浜市都筑区の住宅街にひっそり口を開ける都筑IC第一トンネル
山奥でもなければ廃墟でもない。
ファミリーマートが近くにあって、昼間は通勤の人が普通に通り抜ける道だ。

なのに、
ここは三和交通の「心霊スポット巡礼ツアー」のコースに組み込まれた正真正銘の曰く付きトンネルである。
毎年応募が殺到し倍率数十倍になるあの人気ツアーが、わざわざ連れてくる場所。

この土地が背負っているもの

トンネルの上を走る第三京浜道路は1965年全通、日本初の6車線自動車専用道路だ。
ただし都筑ICが開設されたのは1995年で、現在のインフラ環境は比較的新しい。

しかし、土地そのものは古い。
「都筑」は8世紀から存在する地名で、927年の『延喜式神名帳』に都筑郡の社として杉山神社が記録されている。
トンネル東側の新吉田には、平安の武将・鎌倉景政が没したという伝承が残り、正福寺が菩提を弔った。
御霊堂跡の標柱が今も立つ。

多摩丘陵の谷戸地形を利用した農村だったこの一帯は、港北ニュータウン開発で大規模に地形が改変された。
丘を削り谷を埋め、高速道路を通し住宅を建てた。
古い祠や墓地の移転もあったとされる。

地元の方の話で
「昔から第三京浜の向こう側に行くなと親や学校に言われていた。何かがあったとは聞いていない」
というものがある。
理由なき忌避。こういう話が一番ゾッとする。

噂の噂の傾向整理

①車内自殺とサラリーマンの霊

最も広く語られる噂。トンネル内に車を停め車内で自殺した人がおり、以降スーツ姿の男性の霊が目撃されるようになったという。
トンネルに長期間放置された軽自動車の存在は複数の探索者が現認しており、ニコ生で過去に活躍していた某心霊配信者の生配信でも車両は確認されている。
ただし報道記事は未確認。

②女性の霊

男性とは別に女性の霊も出るとされる。
全国心霊マップの投票では女性37票が男性31票を上回る。
なぜこの場所に現れるのか背景が語られないのが逆に不気味だ。

③竹林に消える人影

とある怪談師が現地調査した際、トンネルを抜けた先の竹林の駐車場で「人を見た」と証言。
即座に確認するも一本道で横に逸れる道はなく、誰も見つからなかった。
配信中のリアルタイム証言であり捏造の可能性は低い。

④2006年の5ch書き込み

「都筑IC付近に幽霊の出るトンネルがある」「UFOが飛んでいる」という投稿が2006年にある。
投稿者は「20年以上前の話」としており、1980年代にはすでに噂が存在していた可能性がある。IC開設(1995年)より前だ。

⑤第一トンネルだけが”おかしい”

2025年のコメントで「第二トンネルはなんも感じなかったのに第一トンネルは寒気がした」という体験談がある。
二つのトンネルは物理的に隣接しているのに、片方だけに異変を感じる人が複数いるのは興味深い。

スピリットボックスで霊の声を聞いてみようと試みるが・・

地元で聞いた怪談  二つの”語り”

撮影中に近所に住むという20代女性3人組と出会った
肝試しに来たと話していたので、話を聞いてみると・・・

怪談其の壱「犬が見た女」

地元女性のお母さんの話。
夕方、いつもの散歩コースでトンネル前に差しかかると、飼い犬が突然足を止めた。
尻尾が下がり耳が倒れる怯えの姿勢。
トンネルの中を凝視している。

お母さんも覗いた。
蛍光灯の下に白い服の女性が背を向けて立っていた。
微動だにしない。

通り過ぎようとした瞬間、気づいた。
その女性に影がない。
蛍光灯が真上から照らしているのに、足元に何も落ちていない。
犬が低く唸り始め、お母さんは本能的に引き返した。
翌日同じルートを通ったが、誰もいなかった。
犬は何事もなかったように通り抜けた。

あれ以来、散歩コースからあのトンネルを外したという。

怪談其の弐「停まった車の中の音」

2年前の冬の夜、女性が午前1時過ぎにトンネルを歩いて通り抜けようとした。
中ほどに軽自動車が停まっている。
明かりは消えている。

エンジンも切れているはずなのに、車内からラジオのような音が聞こえた。ノイズの合間に人の声が断片的に混じるが、言葉として聞き取れない。

窓を覗いた。
車内は空だった。
カーラジオの電源も入っていない。
なのに音はまだ聞こえている。女性は怖くなり、走ってトンネルを抜けたという。

翌朝、同じ道を通ると車はなかった。
以来、終電を逃してもこのトンネルだけは通らないと決めたという。

……三和交通のタクシー呼んだら結局このトンネルに連れてこられそうだけど。

現地検証  2022年2月下旬、夜22時過ぎ

五感の記録

カブを停めてトンネルに入る。

視覚。
蛍光灯が照度不足気味にコンクリートを照らす。
壁の染みと水滲みが生々しい。
第三京浜のコンクリート天井が頭上から重くのしかかる。

聴覚。
上を走る車の走行音がゴォォォと絶え間なく響く。
大型トラックが通過すると体の芯まで振動する。
静寂ではなく音に満ちているのに、その「音に包まれている感覚」がかえって不安を煽る。

嗅覚。
排気ガスと湿ったコンクリート。
2月の冷気と混じった独特の地下道臭。

触覚。
壁に手を触れると冷たさが指先から這い上がる。
2月下旬、カブで走ってきた体はすでに冷え切っていたが、トンネル内はさらに下がる気がした。

そして。
第二トンネルは何も感じなかった。
だが第一トンネルに入った瞬間、言語化しにくい「重さ」を肩に感じた。
気圧か先入観か、あるいは──。判断は保留する。

期待とのギャップ

もっと「異界感」のある場所を想像していた。
実際は住宅街のインフラそのもの。
コンビニが近い。日常の風景。だからこそ怖い。
日常に紛れた非日常。それが住宅街の心霊スポットの本質なのかもしれない。

偶然の出会い

撮影中、近所に住むという20代の女性3人組に出会った。そのうちの一人が以前ここで怖い体験をしたことがあり、さらにお母さんがこの付近で犬の散歩中に幽霊を見たという。先の怪談「犬が見た女」の元になった話だ。

印象的だったのは「地元の人は知っている。でも話題にしない。ただ通らないようにしている」という温度感。
外部の人間が心霊スポットとして騒ぐのとは、まるで違う距離感。

心霊スポット 都築ICトンネル
横浜市都筑区、第三京浜の下を通るトンネル。東側から進むと、都筑IC第一と北川南地下道の2本トンネルが続くが、どうも心霊現象の噂があるのは主に都筑IC第一トンネルの方らしい。噂によれば以前このトンネルの中に車を停め、車内で自殺をした人がいたの...

噂の出どころ考察

①車内自殺が核。
事実の裏取りはできないが、放置車両の存在は確認されており、何かがあったことは間違いない。

②高架下トンネルという空間が増幅装置。
天井が低い、日光が遮られる、音が反響する。
五感が不快に刺激される空間は脳が「危険」と判断し、恐怖反応を引き起こす。

③土地の古い記憶が下地。
港北ニュータウン開発で大規模に地形が改変された地域。
古い祠や墓地の移転があった可能性。
「向こう側に行くな」という理由なき忌避の言い伝え。

④メディア露出が拡散剤。
三和交通ツアーのコース入りで全国区に。
YouTuberや配信者が訪れ、情報が拡散した。

私は心霊肯定派でも否定派でもない。ただ、現地で感じた「何か」は確かにあった。
それが何なのかは分からないまま記録に残す。
それが私のスタイルだ。

参考文献・情報源

全国心霊マップ「都筑IC第一トンネル」
Wikipedia「第三京浜道路」「都筑区」「都筑郡」「早渕」「早渕川」
「心霊スポット巡礼ツアー」
新横浜新聞「新吉田の歴史」
横浜市都筑区「図説 都筑の歴史」
大倉精神文化研究所「新吉田・新吉田あすなろ地区」
三和交通 心霊スポット巡礼ツアー公式サイト 
5chスレまとめ「横浜市(都筑区)の怖い話」
奇怪千万による現地取材(2022年2月下旬)
地元住民からの聞き取り

奇怪千万からのお願い

この記事が少しでも面白かった、役に立ったと思ってもらえたなら、ひとつお願いがあります。Amazonで何か買う予定があるとき、その前に下のボタンから入ってもらえると、私の調査の足しになります。

ここから入って買い物をすると、金額の数%が紹介料として私に入ります。あなたの支払いが増えることは一切ありません。買う物も何でも構いません。

(*´σー`) いただいた紹介料は、現地調査のガソリン代や撮影機材、古い郷土史料の購入に使います。夜のスーパーカブを走らせ続ける燃料だと思って、協力してもらえたら嬉しいです。

※当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者です。適格販売により収入を得る場合があります。

タイトルとURLをコピーしました