カクヨム掲載「心霊体験談短編集」の導入記事です。実話・体験談・聞き書きをもとに、読み物として脚色を加えた怪談として扱い、全文転載はせず冒頭のみ掲載しています。
この話について
2:44 第1章 深夜のルーティン これは僕が実際に体験した話だ。 信じるか信じないかは任せる。ただ、これを読んだ人には一つだけお願いがある。 午前2時44分には、コンビニに行かないでほしい。 特に——練馬区の、あの店には。 僕は今年の春に高校を卒業して、そのまま夜勤のバイトを始めた。 場所は練馬区の某コンビニ。チェー…
冒頭抜粋
2:44
第1章 深夜のルーティン
これは僕が実際に体験した話だ。
信じるか信じないかは任せる。ただ、これを読んだ人には一つだけお願いがある。
午前2時44分には、コンビニに行かないでほしい。
特に——練馬区の、あの店には。
僕は今年の春に高校を卒業して、そのまま夜勤のバイトを始めた。
場所は練馬区の某コンビニ。チェーン名は一応伏せる。特定されるとたぶん、いろいろまずいから。
住宅街の外れにある店で、幹線道路から一本入った通り沿いに建っている。
周りは古い一軒家とか、築年数のわかんないアパートとか。
街灯が少なくて、駐車場の端っこなんか、夜になると完全に闇に溶ける。
なんでそんな店を選んだかって言うと、理由は単純だ。
家から近かったのと、深夜帯は時給がよかったから。
僕には家族がいない。親戚もいない。
別に悲劇ぶるつもりはないけど、高校を出たら誰も養ってくれる人はいないわけで、自分で稼がなきゃ生きていけなかった。
だから深夜のコンビニはちょうどよかった。
夜の22時に入って、朝の6時に上がる。
それだけの生活。
深夜のコンビニって、昼間とはまるで別の場所になる。
蛍光灯の白い光だけが煌々と灯っていて、外は真っ暗で、自動ドアの向こうに何があるのか見えない。
BGMは一応流れてるけど、客がいないと静かすぎて、冷蔵庫のブーンっていう低い音だけがずっと鳴ってる。
慣れると、それが逆に落ち着くようになった。
僕にとっては、あの蛍光灯の下だけが世界みたいなものだった。
深夜に来る客は大体決まっている。
終電を逃したサラリーマン。タクシーの運転手さん。近所に住んでるっぽい、いつもジャ…


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