奇怪千万からのお願い

このサイトの記事が面白かった、役に立ったと思って頂けたら、一つお願いがございます。
Amazonで何か買う予定があるとき、その前に下のボタンから入って頂いて買い物をしていただくと
サーバーの運営費と心霊スポットやパワースポットの取材費になります。

ここから入って買い物をすると、金額の数%が紹介料として私に入ります。
貴方様の支払いが増えることは一切ありません。買う物も何でも構いません。
記事をもっとたくさん増やしたいので、ご協力をお願いします。

当サイトではアマゾンアソシエイト以外のアフィリエイトは使用しません
(記事が見づらくなるから・・・)

「霊感が強すぎて」三つの神社を追われた神職――現場の異界譚

三つの神社を辞めたという語り手

ネットに残る長い体験談のひとつに、神職として三つの神社に勤め、いずれも離れることになったという話がある。語り手は実名を出しておらず、神社や湖の場所も伏せられている。神職だったことを外から確かめる材料もない。最初から「本人がそう語っている体験談」として読むのが、いちばん無理のない距離感だろう。

それでも妙に引っかかるのは、舞台が山奥の廃屋ではなく、町の人が日常的に訪れる神社だからだ。祭りや祈祷を担う側の人が、普段は表に出さない出来事を打ち明ける。その形だけで、話にはのぞき見のような生々しさが出る。

数あるエピソードのなかでも、二つ目の勤め先で起きたという湖の話が中心になっている。語り手は上司にあたる神職と湖を見に行き、いつもと違う緑色の水面を目にした。同行者は、十年前にも同じ色になったと口にする。二人はその場の空気を重く感じ、長居せず戻ったという。

湖の色が変わった翌日

翌日、近くへ移り住んできた老夫婦の妻から、夫が前夜に亡くなったという連絡が入る。湖の変色と人の死に関係があったのかは分からない。体験談のなかでは二つの出来事が続けて置かれているため、読む側はどうしても因果関係を感じてしまう。

その夜は旧暦の八月八日で、かつて人を供えた日だと伝わる神事が行われた。語り手は湖へ供え物を投じ、沈むまで祈る役を任されたという。雨が上がり、雲の切れ間から月が差したとき、浮いていた供え物がまとめて沈んだ。ここが話の山場だ。

儀式を終えたあと、語り手は宮司から退職を勧められる。理由として示されたのは、このまま残れば災いが及ぶかもしれない、というものだった。それが本当に心配から出た言葉だったのか、別の事情があったのかは書かれていない。語り手は職場を離れ、それからはその地域へ近づいていないと結んでいる。

本当らしく感じる仕掛け

話に登場する地名や神社名は伏せられている。だから、湖の水が実際に変色したのか、神事が続いているのか、退職の経緯が語られた通りなのかを照合できない。一方で、上司との会話、電話が来た順番、天気の変化といった細かな描写は多い。確かめようのない大きな出来事を、日常の細部で包む。怪談では昔からよく効く語り方だ。

湖の色そのものは、天候や水中の生物などで変わることがある。供え物が沈むことにも、特別な力を持ち出さずに考えられる余地はある。ただし、この体験談が語りたいのは現象の原因ではない。語り手が周囲の言葉を受けて「ここにいてはいけない」と感じ、仕事まで手放した、その怖さのほうだ。

神社の内側を舞台にした怪談

神職の資格と霊感は別の話だが、外から神社を見る人は、つい両者を結びつけてしまう。見えないものを扱う職業なら、普通の人には見えない何かにも気づくはずだ、と期待する。その一方で、見えすぎる人は組織のなかでも扱いづらいのではないか、という想像も働く。「霊感が強すぎて職場を追われた」という題名は、そんな相反するイメージをうまく突いている。

もちろん、匿名の体験談だけで神社の実情を語ることはできない。特定の神社や地域を連想させる材料もなく、実話と断定する理由もない。それでも、湖の色、古い供養の言い伝え、夜の神事、突然の退職が一本につながると、読み終えたあとにざらついた感触が残る。真偽を決めるより、現代のネット怪談がどうやって「内側の人しか知らない話」を作るのかを見ると、輪郭がつかみやすい一編だ。

タイトルとURLをコピーしました