カクヨム掲載「心霊体験談短編集」の導入記事です。実話・体験談・聞き書きをもとに、読み物として脚色を加えた怪談として扱い、全文転載はせず冒頭のみ掲載しています。
この話について
XX稲荷の話をしよう。 二〇一五年の秋のことだ。 場所は神奈川県。 XX稲荷、と呼ばれる場所に行った。 これはうちのチャンネルを長く見てくれているリスナーなら、知っている話だと思う。 なんせ、よくある心霊スポット話とは少し毛色が違う。 ソース付き怪談、だ。 証拠のある怪談、ということになる。 当時、このスポットを知って…
冒頭抜粋
XX稲荷の話をしよう。
二〇一五年の秋のことだ。
場所は神奈川県。
XX稲荷、と呼ばれる場所に行った。
これはうちのチャンネルを長く見てくれているリスナーなら、知っている話だと思う。
なんせ、よくある心霊スポット話とは少し毛色が違う。
ソース付き怪談、だ。
証拠のある怪談、ということになる。
当時、このスポットを知っている人間はほとんどいなかった。
ネットで調べても出てこない。
地元の古い人間に聞いても、知らないという返事ばかりだった。
完全なマイナースポットだった。
今は、僕の動画や配信の影響なのか、それなりに知名度が出てしまった。
人が行きすぎて、近くに現役の線路があるため危険だとして、現在は立入禁止になっている。
余計なことをしたかもしれない、と今でも少し思う。
この場所には曰くがある。
鉄道会社が公式に認めている話だ。
かつてこの土地のトンネルで、怪奇現象が相次いだ。
狐の祟り、とされた。
急遽お祓いをしたが効果がなかった。
あまりに事態がひどいので、すぐ隣に新しいトンネルを掘り、問題のトンネルはそのまま放置した。
そして、その祟りのあるトンネルのすぐ上に、お狐様を祀る神社を建てた。
それがXX稲荷だ。
呪われたトンネルの、真上に鎮座する神社。
鉄道会社が祟りを認め、トンネルごと封印した場所。
到着したのは深夜の二時過ぎだった。
旧道に入った瞬間、街灯がなかった。
一本も、ない。
ヘッドライトだけが頼りで、アスファルトの上に闇が重なっているような道が続く。
窓を開けると、虫の声もしなかった。
秋の夜の旧道は、音ごと死んでいた。
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