怪談 残り香
友人の話から始める。そいつが子供のころ、近所に取り壊しの決まった空き家があった。長く人の住んでいない、古い平屋だ。解体の前に一度だけ、肝試しで中へ入ったらしい。埃と黴の匂いだけの、がらんとした座敷。その一角だけ、線香の匂いがしたという。仏壇...
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