怪談 清滝トンネルで、一回だけ赤を待った
十月の半ばの、金曜の夜だった。拓海の仕事が長引いて、名古屋を出たのは九時半を回ってからだ。行き先は、京都の清滝。愛宕山の登り口にある、川沿いの小さな集落だ。山が好きなのは拓海で、志保はいつもついていくほうだった。
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